新卒で入社したばかりでも、いろいろな理由で、転職した方が良いかもしれないって思うことありますよね。例えば、
- 「いつまでもこの会社にいて大丈夫かな」と将来の会社の成長が不安になったり、
- 「自分がやりたいことが、今の会社では出来ない」と自分のキャリアが不安になったり
- 「入った会社がブラックだった」と仕事内容が辛くて逃げ出したかったり
でも、入社したばかりで、1年経っていないと、「まだ、転職は厳しいのではないか」とか、「すぐに転職したら、その先のキャリアにキズがつくのでは」などと不安になりますよね。
むしろ、期待を膨らまして入社した1年目の方が、転職を考える人は多いのではないかなと思います。
この記事では新卒1年目の社員の転職活動事情について解説します。新卒1年目の転職で成功するコツも解説しているので、参考にしてください。
新卒1年未満で転職する人は多い
厚労省の調査では、新卒1年目の社員のうち、およそ1割が離職しています。また、3割以上の社員が新卒3年以内に離職しているという結果が出ています。このことから、早期の離職・転職者は比較的多いことがわかります。
この割合は、過去20年近く遡ってもほぼ変わっていません。そして、3年目が離職率のピークになり、その後は下がる傾向にあります。
3年目がピークになるのは、「新卒後3年間は同じ職場で経験を積むこと」という風説によるものと思います。
主な転職理由
自己都合で転職を検討している人の主な理由は、現職場への不満が多くを占めています。これをそのまま受け取ると、「思っていた仕事と違う」と言うことでしょうか。
- 労働条件(賃金以外)がよくなかったから(36.7%)
- 賃金が低かったから(25.5%)
- 会社の将来に不安を感じたから(25.1%)
- 他によい仕事があったから(20.7%)
- 満足のいく仕事内容でなかったから(19.2%)
- 人間関係がうまくいかなかったから(18.5%)
- いろいろな会社で経験を積みたいから(17.6%)
- 能力・実績が正当に評価されないから(15.4%)
- その他(10.7%)
引用:厚労省の転職理由より
採用した企業としては、「新卒1年足らずで何がわかる!!」って気持ちになります。でも、こだわりを持って仕事を選んでいる人ほど、早くからキャリアに危機感を持ってしまうものです。
新卒1年未満で転職する人のメリット
それではまず、新卒1年未満で転職することのメリットについて確認しましょう。次のような人は早期転職が、自分の将来にとって大きなメリットとなります。
- 自分のやりたいことが明確になっている人
- 自分の持っているスキルに自信がある人
2つのいずれかに該当する人は、自分のキャリアのゴールを見据えた行動ができています。だから、転職によるキャリアの見直しが早いほど、将来成功する確率は上がります。
また、退職理由も説明可能で、自分を活かせる企業への応募するので、成功率も高くなります。
私は新卒1年目にSIerからコンサルファームに転職しました。「なんか違う。ここのやり方では自分のスキルは生きない」って、漠然とした不安がきっかけでした。活動開始が1年未満で、早すぎると言われましたが、準備をして挑んだため、直ぐに内定をもらうことができました。
新卒1年未満で転職する人のデメリット
転職のきっかけが、その会社から逃げ出したいという、マイナス要素での転職だと、次の職場で満足できる保証がなく、転職を繰り返してしまうリスクはあります。
「仕事で満足できない」や「色々試したい」といった漠然とした理由も、少し自分のキャリアを整理した方が良いですね。
この状態だと、採用する側もまたすぐに転職してしまうのではないかというリスクを感じます。だから、転職理由や志望動機などの職務経歴書と面接でのチェックが厳しくなる傾向にあります。
また、前職での実績もないため、即戦力ではなく、ポテンシャル採用になります。この場合、給与は今よりも下がるか、同程度になります。しかし、多くの場合、給与が上がることは期待できません。
ただ、デメリットはこの程度だと思います。1年未満の転職をしたことが、将来的なキャリアへの影響はなく、転職後にその職場でどのようなキャリアを積んでいくかが重要になります。
新卒1年未満の社会人採用の求人は多い
第二新卒採用制度で採用することを好む企業
会社によって基準は異なりますが、だいたい、新卒3年目までの社会人に対して、第二新卒採用を行っています。
第二新卒採用は、応募する企業側にもメリットがあります。
- 新卒採用のスケジュールと被らないタイミングで募集できる。
- 即戦力の経験者ではなく、ポテンシャルを見て採用するので給与を抑えられる
- 前職で社会人としての研修を終えているので、研修コストを抑えられる
また、新卒1年未満で第二新卒採用を受ける学生側としても、もう一度新人として扱われて一から研修が受けられるというメリットもあります。
第二新卒のメリットはありますが、新卒1年未満の社員をキャリア採用する企業も多くあります。
1年未満をキャリア採用する企業側のメリット
第二新卒採用ではなく、キャリア採用するメリットは次のようなことが考えられます。
- 前職で社会人としての研修を一通り終えているため、新入社員のような研修は不要
- 前職の文化に染まっていないため、教育しやすい
- 採用プロセスが第二新卒よりも簡素でコストが抑えられる
- 即戦力に近い人材を確保できる。
経歴書の内容や面接での確認で、短い期間でも前職で実績を残していたり、大学時代の活動内容から、即戦力として実践で育てられると判断された時に採用されます。
第二新卒ではSPIなど新卒同等の筆記試験があります。でも、キャリア採用はありません。即戦力ではなくても、少しの研修で戦力になると判断された場合に採用されます。
あとは、コミュニケーション力とか人間性をみられることが多いですよ。
1年未満をキャリア採用する企業側のデメリット
新卒採用と異なり、転職希望者のために書類の確認や面接などで多くの時間を費やすことになります。そこで、ハズレ人材を引かないように、新卒まもない人材の採用には、企業側も採用には慎重になります。
企業側のデメリットは、ハズレ人材を引いてしまうことです。ハズレ人材とは次の様な社員です。
- 採用してもまたすぐに転職されるかもしれない
- 書類と面接で評価した期待通りの働きをしないかもしれない
この様なハズレ人材の採用を減らすために、各企業は転職エージェントを活用しています。エージェントへ自社で必要な人材像を伝えて、それに合う人材を探してもらいます。エージェントに一次判断を移譲することで、企業は効率的に人材を集めることができます。
新卒1年目で転職を成功させるコツ
転職活動は転職エージェントのサポートを受けながら進めるのが、効率的で成功率は上がります。
新卒採用と経験者採用はプロセスも採用後の手続きも異なります。新卒1年未満の社員には負担が大きくなるので、転職活動に注力するという意味でもエージェントの活用は必須ですね。
しかし、エージェントに全てをお願いするのではなく、自分でやるべきこともいくつかあります。転職を成功に導くために自分でやるべき事を解説します。
必ずエージェントに依頼する
くどい様ですが、転職サイトではなく、転職エージェントに登録して、担当者を付けることを強くお勧めします。
転職サイトへの登録でも転職活動は可能ですし、多くの情報・ノウハウが手に入ります。しかし、ちょっとした疑問は必ず発生します。その時に速やかに対処してくれるのは、転職エージェントです。
秘書的にエージェントを活用
転職には、自分のやりたい仕事、自分が活躍できる企業を探す必要があります。この探す作業のお手伝いをエージェントがしてくれます。また、エージェントが応募先のリストアップや、情報収集、経歴書の作成、エントリー、面接対策など全てサポートしてくれます。
また、企業側との仲介役にもなってくれるので、言いづらい条件などもスムーズに調整してくれます。
要するに、転職活動で自分が何をやらなければいけないかは全てエージェントが教えてくれます。
アドバイザーとしてエージェントを活用
転職活動において、重要なのは、
- 書類審査に通過すること
- 面接で好印象を与えること
この2つです。しかし、企業によって、求められているスキル、経験は異なります。それぞれの企業が求めていることを把握して、職務経歴書の書き方や面接時の対策をして、内定をもらうための様々なアドバイスをしてくれます。
これまでのキャリアなどを鑑みて、お勧めできない企業の判断や、第二新卒採用とキャリア採用のどちらで攻めるべきかのアドバイスなどももらえますよ。
エージェントの選び方はこちらの記事を参考にしてみてください。
念入りな情報収集
応募している企業がどういった歴史を持っているのか、企業コンセプト、パーパスを持っているのかなどの情報収集を行なってください。それを踏まえた経歴書や面接の受け答えができるだけで、採用担当者に熱意が伝わります。
企業の情報は、エージェントが持っていますが、転職に関する情報に偏りがちになる傾向があります。細かい情報は、ホームページを参照して必ず企業研究をしてください。また、四季報や口コミ、転職サイトのページから競合他社の情報も確認して、応募先企業に決めた理由なども整理しましょう。
経歴書に書くべき内容を精査する
自分が5年後、10年後どうなっているか、自分のキャリアプランを具体的に語れるようにしましょう。そして、転職することで、そのキャリアが実現できることを説明できる様にしましょう。
新卒1年未満だと実績はほぼ無く、職務経歴書には多くを書くことができません。だから、未来のことについて、明確に述べられると好印象を持たれます。
- この先のキャリアをどうしたいか
- 転職したらそのキャリア実現できること
- 今の職場では、難しい理由。
- (可能なら)自分が転職することで、どんなことに貢献出来るか
会社での実績ではなく、学生時代に工夫したことやチャレンジしたこともアピールポイントとして使えることがあります。応募先の企業活動と関係のないと思われることでも、伝え方次第で強力なアピールポイントになるので、エージェントと話をしてみてください。
転職先を見つけてから退職する
会社を辞めてから転職活動をする人がいます。時間的な余裕もできるので、転職活動に集中できると考えての判断かもしれません。でも、そんなに簡単に決まらない可能性もあります。
決まらない期間が長引けば長引くほど精神的疲労は大きくなり、冷静な判断ができなくなります。また、無職の期間が長いと企業側に悪い印象を与えかねません。
会社辞めて転職活動の期間が長いと、「この期間で転職活動していたのか。一体、うちに来るまで何社の不採用もらったんだろう…」って企業側が思うかもしれません。そうなったら、内定もらえる可能性は低いです。
そして、収入もない中で、焦りが生じて、本来望んでいない企業にも応募してしまうかもしれません。そこで、内定をもらっても、転職後にまた不満が生まれて転職活動を繰り返す可能性があります。
なので、現職はなるべく辞めずに転職活動を行い、内定をもらってから、入社日を調整しながら退職の手続きを進める様にしましょう。
まとめ
新卒1年未満の転職は、経験値や経歴の薄さなどマイナス面が目立つので避けた方が良いかな。と思って転職を断念する人もいれば、強い思いで一歩踏み出す人もいます。これは、どちらが正解かは分かりません。ただし、
「まだ1年目だから、辛いけど3年間は辛抱しよう。」
と根拠のない3年間の頑張りで人生を浪費するのであれば、前向きな転職を考えた方が良いと思います。迷っている状況を相談できる相手がいないのであれば、エージェントに登録してみるのは一つの策として正解だと思います。