コンサルティングファームで働いていると、昇格の条件にTOEICの点数が設定されてます。でも、外資系のコンサル会社の社員だからと言って、皆が英語ペラペラってわけではありません。むしろグローバル展開を行なっている事業会社の方が英語を話せる人が多かったりします。
では、コンサルタントはどれくらいの英語力が必要とされているのでしょうか。今回は、コンサルタントと英語力についてです。
コンサルタントに必要な英語力

コンサル会社では、英語力を求められています。クライアントがグローバル展開しているからと言われていますが、コンサルタントのお客さんの多くは日本人です。何で英語が必要なんでしょうかね。

TOEIC800位あると、英語力があるとかないとかって議論はどうでもいい感じですよ。

新卒の若い人材の多くは、親の英語教育が熱心だったので、英語が話せる社員が多いですね。一方、コンサル会社に転職しようと考えているキャリア組は結構英語を苦手とする人が多いです。

仕事上、英語が必要だった経験はありません。英語ができいという条件で、プロジェクトを決めていたからですが、それでできる仕事がほとんどだから問題ありません。もちろん英語を使って仕事したい人はそういうプロジェクトに参画しています。
私が20年外資系コンサルにいて、英語で困ったのは次の様な時です。
- トレーニングコンテンツの受講
- 昇進するための条件
- 本社への活動レポート
- 社内メールの確認

本当ですね。英語が必要になるのは、社内の活動だけなんですね。
一つずつ見ていきましょう。
トレーニングで英語コンテンツの受講
英語が出来ないことで困ったのは、英語コンテンツのトレーニングの受講でした。コロナ前は、海外での研修もありました。今は、e-Learning によるトレーニングも増えたので、海外研修は無くなりましたが、グローバル共通のトレーニングは英語で進みます。
英語テキストであれば、Google翻訳にコピペもできましたが、動画コンテンツだと、同時翻訳機能がないので、苦労しました。

動画も聞き流して終わりというコンテンツならよいのですが、理解度確認テストが最後にあるものは、一回でクリアできないものもあって、何度もやり直して時間がかかった記憶があります。
昇進するための条件
マネージャになる時には、英語力の基準として、TOEIC650点以上という基準がありました。シニアマネージャは700点かな。ファームによって点数は異なりますが、マネージャ以上は大体700点を基準としているところが多いですね。
最近はリスニング・リーディングだけではなく、ライティング・スピーキングを入れた4技能が基準になっているファームも増えていますね。
ちなみに、中途採用で転職してきた人は、マネージャ以上の能力があると判断された人は英語力が基準以下でも、採用されるケースがほとんどです。

入社後に英語を学んで基準を越えないと、年次評価に影響しますが、入社条件として、英語の優先度はあまり高くないと思っています。それよりも即戦力としての経験を重視していますね。
エージェント経由だと特に英語力不問のケースがあります。

そうですね。会社のホームページや転職サイトの募集要項には英語力の基準でTOEIC700点以上ってありますけど、エージェントが採用担当者と話して、それ以外のスキルがあれば、英語力はまぁ入ってから頑張ってもらえれば良いでしょうとなるケースはよくあります。
本社への活動レポート
マネージャ以上のPMの役割を担うと、本国に対してプロジェクトの稼働状況を定期的にレポートする作業を求められます。
- プロジェクトの進捗状況
- スタッフの稼働状況
- 課題やリスクの有無と対応方針
- 次週以降の見通し
などです。でも、決められたフォーマットに書き並べるだけなので、慣れてしまえば、Google翻訳に頼りながら作成することは可能です。提出したレポートに対して、質問が来たりすると少し厄介ですが、それでも、電話がかかってくるわけではなく、メールベースなので、Google翻訳があれば、なんとかなります。
社内メールの確認
外資系なので、社内のメールは英語で配信されます。ただ、メールのタイトルに【important】とか【required】と書かれている必ず読まなければならないメールについては、日本語訳も同時に載っています。だから特に英語力は必要ないです。
結論!!コンサルタントは日本語が出来ればよい
ここまで見てきた、英語が必要となるケースを踏まえると、コンサルタントに英語は必要ないという結論になってしまいます。
特に、クライアントの多くは日本企業なので、英語コミュニケーションが必要なケースはほとんどありません。したがってコンサルティングの仕事をする上での英語力はほとんど必要ないと考えられます。
本当にコンサルは仕事で英語を使わない?
基本的に日本企業が相手なので、お客さんも日本語で話をします。そして、外資系のコンサルファームなので、同僚で英語が話せる人が一人もいないということはほぼあり得ません。
たとえ、お客さんに外国人がいたとして、その人とコミュニケーション取る必要が出たとしても、英語が話せる同僚の協力を得ることもできますので、実態として、英語が出来ないとダメというシチュエーションに遭遇することは非常に稀なんだと思います。
マネージャ以上に求められる英語力
しかしながら、グローバル展開をしている企業にコンサルに入る場合は、部長以上が外国籍の社員である可能性が高くなってきています。また、プロジェクトの担当者が外国人になることも、今後は増えてくると思います。そうした時に英語が話せないと、苦労することが増えると思います。
このような企業側の都合で英語が必要になるケースは日本企業でも増えてきています。その結果、コンサル会社でも英語力が必須要件になりつつありますが、部長以上の社員を相手にするのは大抵はマネージャ以上になるので、スタッフレベルに英語力を求める必要性はないと思います。
事業会社の方が英語が必要
なお、多くの企業が、グローバル展開を将来的な戦略にしています。そうすると、海外出張に行く機会も増えるため、必然的に英語力というのは求められるようになりますよね。
楽天などは社内公用語が英語に指定されるなど、英語が話せて当たり前という事業会社が増えてきていることから、グローバル展開する事業会社に英語が求められているというのは納得感があります。
英語力のあるコンサルタントのメリット

マネージャー昇格要件にTOEICの点数を設定しているコンサル会社は多く、スタッフはそれほど必要ではありません。でも、スタッフレベルでも英語力は次のような理由から推奨されています。
海外で活躍するチャンスが広がる
海外進出を狙っている日系コンサルティングファームやそもそも外資系のコンサルの場合は、案件が海外にあるので、ビジネス英語が話せると海外で活躍する機会が増えます。
視野がグローバル視点になることで、コンサルタントとしての幅も広がるため、グローバルプロジェクトでのキャリアを形成していく事もできるようになり、成長機会が飛躍的に広がります。
クライアントとの会話で英語が必要になる
グローバル展開している企業では、部長以上の人が海外からきている会社も少なくありません。スタッフでいるうちは、クライアントの窓口も課長以下のことが多く、日本語でも問題ありませんが、マネージャ以上に昇格すると部長級の社員相手に話をする機会が増えます。
その時に、英語が必要になってくるので、マネージャー以上になる要件としてTOEICの点数を設定している事が多いのですが、社内公用語が英語の会社などでは、スタッフでも英語が必要になるケースが増えています。

TOEICの点数は持っていても話せないマネージャは数多くいます。そこで、英語が話せるとスタッフも同席してもらうこともあるので、クライアントへのアピールにもなるしマネージャからの信頼も厚くなるというメリットもあります。
転職にも有利
外資系のコンサルティングファームと言えど、英語が苦手な社員は多くいます。そんな中コンサルティング経験があり英語が話せるというのは、転職に有利に働きますよね。
コンサルタントの仕事に疲弊して、脱コンサルを狙う場合も、「英語が得意な元コンサルタント」というだけで、給与面などの待遇も大きく有利に働きます。なかなかいそうでいないんですよね・・・
まとめ
コンサルの仕事ができる・出来ないに関わらず英語は話せる若手社員が増えてきました。でも、外資系コンサルファームだから、英語が話せないと仕事にならないという感じではありません。
しかし、繰り返しになりますが、複数のプロジェクトを経験していますが、英語を必要とするプロジェクトは一つとしてありません。重要なのは、英語力よりも、ロジカルシンキングやコミュニケーションなどコンサルタントとしての能力になります。
なお、社内業務で英語が必要になりますが、Google翻訳などを活用すれば、大きな支障はありません。
それでも、英語を使いこなせることのメリットは多くありますので、英語が苦手な人は、無理しないレベルでも、英語の学習は継続することをお勧めします。