会社の存続には資金が必要です。コンサルファームでは、その資金はクライアントへのコンサルティングによる報酬になります。
その報酬を作っているのは、コンサルティングを行っている現場のスタッフですが、クライアントとの契約を取り付けて報酬を得るきっかけとなるセールスを作っているのがマネージャー以上になります。
でもうまく仕事を回さないと転職者が量産されるリスクがあるんです
コンサルティングの流れ
コンサルティングのざっくりした流れはこんな感じですね。
- 企業側がRFP(提案依頼書)を作成する。
うちの会社こんなことやりたいけどどうやればいいかわからないので提案してくださーいって依頼書を企業側が書きます。 - マネージャー以上が企画書を作成して企業に提案する。
RFPを見て、企業への価値を提供するための企画書を作成します。その過程で必要に応じて企業側へのヒアリングなども実施します。 - 提案が通って契約締結したらコンサルティング活動する。
複数のコンペを経て企画が通ったら、契約を締結して、プロジェクトが立ち上がります。そのプロジェクトで、企画書に則ったコンサルティング活動を実施します。 - コンサルティングの結果をフォローアップする
コンサルティングの結果、変更となった運用などのプロセスについて一定期間フォローアップします。
ちなみに、一つ目はクライアント側の活動ですが、そこのタイミングからマネージャがお手伝いして案件獲得率を上げるってのも最近では、日常化してきていますね。
コンサルファームの営業マン
コンサルファームって、営業って概念が少ないというか、マネージャ自身が営業マンみたいにクライアントへ提案しているのがほとんどです。プロジェクトを推進する中で、クライアントとのコミュニケーションを増やして仕事を増やすみたいなケースが多かったりしますね。
だから、RFPを作るお手伝いをすることが増えていますが、もっと前段では、予算が取れるかを確認するところから活動するマネージャも多くいます。

こんな業務改革どうですか?
興味があればRFP作りからお手伝いしますよ。
こんな感じで相手の懐に入り込む仕事が多かったりします。
マネージャはセールスのKPIが評価につながる
マネージャの評価には、売り上げ目標ってのが定められています。売り上げが大きいとプロモーションも早くて、シニアマネージャーとかパートナーになっていきます。
マネージャーは、シニアマネージャやパートナーと組んで、提案のお手伝いをして、売り上げに貢献しながらクライアントとのリレーションを構築して、成長していくという図式が成り立ち、その貢献度が評価につながります。
それをセールス目標って呼んでいたりします。
マネージャ未満はデリバリーのKPIが評価につながる
マネージャー以上はね、稼がないといけないので、売り上げが求められます。それに対して、マネージャー未満のスタッフは、プロジェクト案件をひたすら捌きます。クライアントの求めている要件を満たすようにひたすらコンサルティング活動を行います。
スタッフ層はセールスは求められず、コンサルティング活動の結果が評価につながります。実際のコンサルティング活動をデリバリーって呼んでます。
理想と現実ののギャップがスタッフ層を疲弊させる
コンサルティング活動というのはデリバリーに該当します。そのデリバリーが成功するかどうかはどのような体制で活動するかにかかっているといっても過言ではありませんが、なかなかマネージャをはじめとしたスタッフの思惑と実態が異なっていてうまくいくケースは少ないというのが実態だったりします。
理想は、マネージャがデリバリーのリードをすること
デリバリー、すなわちコンサルティング活動は、マネージャーが現場のトップとなって、案件の推進、品質管理などを実施して、その下のシニアコンサルタントってのが実働部隊のリーダーとして稼働するっていうのが、理想的なデリバリー体制です。
規模の大きいプロジェクトでは複数のシニアコンサルタントがいて、その下にさらに実働するコンサルタントなどのスタッフが活動します。適切なチームはこんな感じでピラミッド上の体制作ってデリバリーします。
実態は、マネージャはセールス重視となる
上手く体制が作れない事で、プロジェクトが炎上することがあります。基本的にマネージャは、早く昇進したいって考えます。昇進するには、セールスを多く上げるってことです。すると、コンサルティングの現場を見る頻度がさがります。そのしわ寄せで、シニアコンサルタントの負担が増えます。
セールス重視のマネージャの下に配属されると、デリバリーの方向性なども不十分に丸投げされて、試行錯誤しながらなんとか進めても、レビュー段階でマネージャからダメ出しされてやり直しになる。
そんなケースのプロジェクトは後々炎上します。
マネージャのデリバリー力でプロジェクトの成否が分かれる
マネージャがセールス活動に忙しいと、メンバーとのコミュニケーションが少なくなり、メンバーもマネージャに相談しづらくなり、マネージャと、スタッフの距離がどんどん広がり、シニアコンサルタントの負荷はどんどん上がってしまいます。
優柔ではないなりたてのシニアコンサルタントは、どうやってプロジェクトを回せばよいかわからず、管理できていないタスクもどんどん増えて、疲弊して、病んでしまうリスクすらあります。
逆に、優秀なシニアコンサルタント(マネージャの意図を上手く汲み取って活動できる人)は、その内、セールスの手伝いをさせられるようになります。昇進したいならセールスの経験もした方が良いよって悪魔のささやきに乗ってしまうんですね。
すると、コンサルタントやその下のスタッフもどんな作業をすればよいのかわからず、納期だけが迫り、精神的にどんどん追い込まれて・・・・
炎上パターンですね。
昇進という甘い蜜を拒むコンサルは皆無
本当に優秀なシニアコンサルタントは昇進というニンジンを目の前にぶら下げられても見向きもせずにデリバリーに専念します。でも、なかなかいません。
「マネージャーに昇進するなら提案くらいできないと」って上からのパワハラ的な言動に縛り付けられてしまうんですね。でも実は、多くのコンサルファームでは、シニアコンサルタントにセールスの評価はつかず、デリバリーをちゃんと回すことで評価されます。だからセールスの手伝いしても、評価にはつながりづらい。

やってられるか!

ってなりますよね。で、マネージャの言い分は、評価とかじゃなく経験としてやっておいた方が良いってことと言い訳するんですよ。

さらにやってられるか!!!
ってなり、デリバリーの要のシニアコンサルタントが仕事を辞め始めちゃいます。すると、マネージャーが、デリバリーに入らざるを得ないけど、実働はもっとジュニアなコンサルタントやスタッフにほぼ丸投げされて、品質も低くなりお客さんからクレームが出てきちゃいます。。。
マネージャになりたがらないスタッフが増えるコンサルファーム
こんな会社は、スタッフがマネージャーになりたがらなくて、転職することで、クラスやランクを上げようとします。隣のコンサルファームの畑は緑いっぱいに映るんでしょうかね。あまり変わらないと思いますけど。
それでも、給与は上がります。上がった先でこんなはずではないって思い、別のコンサルファームに転職して給与だけが上がっていき、戻ってきた時にはマネージャになっています。
だから、マネージャーのひとは、転職組が多かったりする。
マネージャー以上と未満ではまるで別の会社の様です。
ビック4と呼ばれるコンサルティングファームの社員って別のビック4への転職が多いけど、転職することで、給与や職位を上げてる印象が強いですね。
事業会社のように一つの会社で耐え忍んで昇進する的文化なんてないですから。
社内教育は課題と理解しつつも進まない実態
だから、教育制度もあまり体系だったものはなく、職位ごとのやる事があるだけで、後は自分で考えて仕事しながら身につけてって感じになる。効率的な教育がないから育成に時間がかかるか、なんちゃってが増産する。私とはちょっと質の違うなんちゃってですね。
なんとかプロジェクトを終えても、その成果物などが資産として蓄積する仕組みがなく、個人のフォルダに残るだけとなってしまいます。チーム単位で管理している部署もありますが、会社全体でまとめた資料はあまりありません。
だから、ナレッジもたまらない。
まず自分の会社のシステムをコンサルすべきなんですけどね。やらなくても、育つ人がいるので、良しとするし、外部から入ってくる人材に頼るから教育制度は充実しない。マネージャの個人の裁量にゆだねられている実態があります。
転職活動のススメ
なんちゃってコンサルとして20年生を一つのファームで迎えましたが、これからの時代はそんな一カ所に留まって効率的にキャリアを上げることなんて難しくなってきていると思います。
めちゃくちゃ充実していて、自分のキャリアにフィットする仕事に就ける人であれば話は別ですが、やりがいとストレスを比較してストレスが多いのであれば、外の世界をのぞいてみるというのも一つの選択肢としてとらえてもよいように思えます。
コンサルやってると、いろんなクライアントと仕事できるので、そこから外の世界を見ることもできますが、見聞きするのと実際にやるのとでは雲泥の差がありますし、コンサル辞めないならそれは難しいですね。
ちなみに、事業会社の方が楽だなってコンサルファームから足洗う人もいるけど、事業会社は、それはそれで別の辛さがありますよ。要するに辛くて逃げのスタンスの転職はうまくいかない可能性が高いです。逆もしかり
だったら、給与上げる事目的ですって、目的でぶっちゃけて行き先探った方がよっぽどうまくいくと思いますけど、逃げてばかりで人に堂々と話せないキャリアしかない人は厳しいのでまずはそれを目指すのが賢い選択ではありますね。
コンサルファームへの転職はAXISが強い

たとえば、アクシスコンサルティングって会社に相談してみるとか。別に転職しなくてもいいんですよね。BIG4(デロイト、PwC、KPMG、EY)や アクセンチュアなど総合系コンサルティングファームへの転職成立実績が多いエージェントですね。
アクシスコンサルティング のような特化型のエージェントはコンサルファームの最新情報をかなりコアな情報まで掴んでいます。それに、コンサルタントに向く人向かない人の目利きができるので、自分診断してもらってから転職するべきか決めるのもありだと思います。
ただ話聞くだけって、結構度胸いるなって思いますけど、コンサルになろうと思って相談して、内定もらったけどうまくいかずに半年足らずで転職ってなるとエージェントのメリットもないので、しっかり話聞いて納得して転職して欲しいという思いが強いから、まずは、
「コンサル業界の動向を知りたいんですけど」
って相談から始めてみるのが良いと思います。まぁ、それも及び腰になってしまうのであれば、今の会社にステイするのがいいかもしれません。