毎年、評価会議の時期が憂うつです。
評価会議って、スタッフの1年間の頑張り度をマネージャ陣が集まって点数化して順位付けをして誰を昇格するか決めて、翌年の年収を設定する会議です。マネージャもシニアマネージャやパートナーから評価されます。
何ちゃてコンサルの私ですがマネージャになって久しいので、私も何人かのスタッフの評価者の一人です。スタッフの人生に大きくかかわる年収を決める会議なので重要なのはわかっているけど、会議の発言を聞いていると、言ったモン勝ち的な定性的評価がまだなくなっていないのが実態です。
プロジェクト毎に特性があるし、アサインした時の役割も人それぞれなので定量評価の難しさはわかるんだけど、会社の指標があるんだから、もう少しそれに則ればいいのにって思いながら毎年過ごしています。
では、実際にどうやって評価会議が進められるのか。どのコンサルファームもほぼ同じなんじゃないかなって思いますが、こんな感じですかね。
評価会議はプロジェクトの活動がほぼ全て
評価会議で評価される指標は、
・プロジェクトでの貢献度
・スタッフの職位で必要な能力の充足度
・昇格に必要な能力の素養の有無
この3点です。評価会議のマニュアルもありますし、一見すると平等に評価するための仕組みになっているように見えますが・・・・。
プロジェクトの貢献度
「貢献度」とは、プロジェクトでの求められている役割を全うしているかどうかです。プロジェクトリードからのフィードバックを元に評価されます。かなり定性的評価になります。
リードに気に入られるかどうかで結構評価は分かれます。
そして、スタッフの職位に則した役割が与えられる保証はありません。雑務的なものもあれば、はるかに高レベルの作業を丸投げされることもあります。そこでどう対応してきたかが評価のインプットになってきます
職位に必要な能力の有無
これも、多くはプロジェクトからのフィードバックがインプットとなります。その職位相当の働きをしていたかどうかで判断されます。
それ以外には、会社としてその職位で必要な能力が定義されていてそれを満たしているかどうかの判断になりますが、これは、プロジェクトからのフィードバックではなく年度の初めに設定する目標設定に事前に自分の足りない能力を記載して、年度末に自己評価としてどうだったかを書きます。
自己評価が強く影響するものですが、プロジェクトからのフィードバックのコメントと合わせて今の職位として働きが妥当かを判断します。
昇格に必要な能力の素養の有無
これは、次の職位にプロモーションする際の指標です。上の職位でも必要な能力が定義されていて、全てを満たす必要はないけれど、何かしら上の職位でもやっていけるだろうという見込みの判断になります。
これもプロジェクトからのフィードバックで決まる要素が大きく、上のクラスと同じような仕事をこなせている。というコメントがあればほぼOKとされます。
いずれも、会社として必要なスキルは定義されているものの、それが出来たかどうかの判断は定量的(数値化して判断)ではなく、定性的(評価者の印象)で決められてしまうという点が、評価者であるマネージャの発言に依存しているという意味で不平等になってしまうところです。
憂うつになるのはその評価会議ではなく、その評価をするための目標設定です。
憂うつなのは目標設定
年収を決めるのは、年次の評価会議で、プロジェクトからのフィードバックが評価の多くを占めていますが、それとは別に個人の目標設定を元に判断するというものもあります。
目標設定とは、中長期的な個人の成長を計画するというのもです。その中長期的目標を立てて、それを実現するために必要なスキルや経験をタスク分解して、直近の1年間で達成すべきことを明確にします。
それをベースに、コンサルタントとして今の職位で必要なスキルで、自分に足りていない能力を身に付けましょう。というのが、目標設定です。
中長期の目標なんてない
これの何が憂うつかって、「やりたいことをやろう」と個々人のキャリアを優先してくれているのはありがたいですが、やりたいことなんてコロッコロと変わるので、中長期の目標なんて立てても意味がないんです。
やりたい事を仕事にするのは理想かもしれないけれど、何十年も同じことがやりたいなんて無理。そもそも来年どうなっているかわからないのに中長期の目標なんて・・・。
そして、経験上、私がアサインされるのは、人の足りないヤバ目のプロジェクトなので、そのプロジェクトで目標に向けた仕事をやるなんて不可能に近い。そんな現実を見ると、毎年の目標設定見直しとか、自己評価とか苦痛でしかありません。
やりたいことを目標にすることの違和感
「やりたいことは何?」と、問われても、日々変わっちゃいます。結構いろいろやりたいです。コンサル的な仕事以外でもやりたいことは多い。でもまだ、そんなに具体的に言語化できるほど詳しいものもないし、「やりたい事をやろう。」その気持ちはあるけれど、正しい表現は、
「興味のあることがあったら取り敢えずやってみよう」なんだと思います。そして、
- やってみて違ったらやめればいい
- 夢中になったら続ければいい
なんですね。でも、それが生涯のやりたいことになんてなるわけがないと思っています。そんなに忍耐力はありません。ある程度の概要知識と、実装するためのプロセスが分かってしまったら自分でやる必要もないし、誰かにやってもらいながら、自分は次の別の興味あることに心は移ってしまいます。
だから、中長期でやりたいことなんて書いても昨年の目標と比較すると別のこと考えています。
そんな感じ。だから、毎年上長に「やりたいことないの?」って言われて無理くり考える。これが1年で最高に無駄で苦痛の数時間なんです。
なんちゃってコンサルタントやっている理由
じゃあなんでコンサルタントやってるの?目標はないの?
そう問われると、言い出しずらいのですが、やっぱりお金のためです。これが納得感のある辞めない理由になっています。
コンサルでは、常に成長を求められます。その時代にあったコンサルティングの提供をするので、今の時代、AIとかDXとかクラウドを知らずに提案したら、クライアントの方が詳しくて馬鹿にされると言うとこもあります。
AIに関しては、誤った知識の人が多いので、スーパーテクノロジーみたいに考えてて訂正に苦労もするけど、同調すれば後で火を噴きます。
日々のこういう変化を感じながら、クライアントがやりたいことを実現するためにどうすればよいのかを考えて提案して、そしてクライアントに感謝される。
今の年収もらっているなら、これくらいのことはやってもまぁいいかな。と思うことです。それがやりたいことなんじゃないの?と言われたらそうではないですね。。。。
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