転職ワザ

上流工程からお客様のお仕事に関わりたいって志望動機について

コンサルファームでの面接官を担当していると、事業会社からの転職希望者の動機に「上流工程からお客様のお仕事に関われる仕事をしたいと思いまして」というのが、転職希望者の9割を占めています。

これ結構聞き飽きたなぁって感じの志望動機です。

コンサル面接官の知りたいこと

面接官が知りたいのは、

  1. 今の会社を含めてこれまでの職歴で身に付けたこと
  2. これまでの人生で直面した大変な出来事とそれに対してどう向き合ってどう乗り越えたのか
  3. なぜコンサルティングの会社に転職したいのか

この3点は、どこのコンサル会社でも共通に聞いてくると思います。

アドバイザ
アドバイザ

「上流工程で仕事したい」云々は、3つ目のコンサルティング会社に転職したい理由の一つに該当しますが、そこだけ抜き出しても響いてこないんですよね。

コンサルタントは、ストーリー性を求めてる

上の1~3が一つのストーリとして語って欲しいなって思います。言い方を変えるとあなたの人生これまでどうだったのかと、これからどうしていきたいのかなんですよね。その筋が通ってて、かつコンサルティングに進む理由に納得感があれば結構な確率で面接は通ると思います。

コンサルでは、ロジカル思考が求められる

全てが論理だてて話せることは重要ですが、特に、2つ目はコンサルティング業務に従事することになった時に、コンサルタントとしてワークできる人材なのかを判断する指標になるので、より具体的にロジカルに説明できる必要があります。

雉遠
雉遠

面接では、即興で身の回りのものを使った分析と報告をやらされるファームもあるって聞いています。

コンサルタントになる上で一番重要な事

そして、一番重要なのは、「この人と一緒に仕事をしたいか」ですね。職務経歴書の内容からある程度入社後の所属にあたりをつけて、その組織のリードが面接官をするケースが多いので、その人に「こいつと一緒に仕事してもいいな」って思われることが何より重要ですね。

相性かもしれませんが、その要素は大きくバカにできない重要な観点です。

上流工程をやりたいだけならコンサルである必要はない

上流工程から関わって行きたいという志望動機を前面に出す人は多いのですが、開発における上流工程をやりたいだけならコンサルティングファームにいなくてもできてしまいます。

上流工程の定義がそもそもちがう

「上流工程って何?」って聞くと、開発経験者は要求分析だったり要件定義などと答えます。これは正解なのかもしれませんが、このタイミングって、コンサルの出番はほぼ終わっています

コンサルが言う上流工程って、クライアントが抱えている課題を見える化して、それを解決する手段を考えてあげることです。その手段としてシステム導入かもしれませんし、BPRかもしれません。そういった複数あるソリューションからクライアントの求めているあるべき姿を設計して提案することです。

上流工程云々で転職して苦労する人たちが多い

だから、SEとしての上流工程に行きたいならコンサル会社に来ちゃったら結構苦労します。最近では、開発も保守も運用も全て面倒見るのがコンサル会社の主流になってきているので、転職した後に社内異動でやりたいところにつける可能性もなくはありませんが、大手の開発会社に転職した方がやりたい職につける率は高い気がします。

ぶっちゃけると給与アップが目的な人急増

「上流工程ってなに?」って質問でSE的回答をする応募者には、上流工程の認識の違いを教えてあげます。上流工程に関わりたいってだけで面接に来た人はそこで大抵言い返す事が出来ず黙り込んでしまうので、その方には気の毒ですが、縁が無かったと後日通知をさせていただいています。

一方で、コンサルとSEにおける上流工程の違いを知らなかったことをその場で受け入れて、その上で、コンサルティングにおける上流工程の魅力に志望動機を切り替えて話を続けられる人もいます。そういう柔軟性のある人は、結構コンサル業界でもやっていけるだろうなって思ったりします。

そういう人は、入社後もなかなかの評価でコンサルの仕事を上手く裁いていけるのですが、たまたまプロジェクトで一緒になって、面接の時の話を聞いたりすると、「志望動機はぶっちゃけ年棒アップっすね」って言う人が多いです。

まぁ別にそれはそれでいいんですけどね。なんとなく想像はしていたし、私も同類なんで。でも、昨今はそれを包み隠さず口にする人が増えてきたなぁという印象がありますね。裏表ない性格がわかりやすくて良いのですが、面接した人に対しても平気でぶっちゃけられるんだなぁって少し複雑な気持ちではありますね。

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